21.7.2昨日の昼も素麺だった。

夏場は素麺が安定して高い頻度で出てくる。

安くて、簡単で、美味しい。食事としてこの上ない。

 

くるりとトングで掴んだまま巻かれたざるの上の素麺の列。短冊に切られたきゅうりには最初の方の濃い麺つゆがちょうど良くて、錦糸卵には少し辛く感じる。茗荷と麺つゆが香り、唇に小さくなった氷の欠片があたる。夏らしく愛おしい。

 

僕の彼女はときどき奇妙な動作をする。

素麺に関して、というか今回も理解できない動作をしていた。

彼女は、毎回冷蔵庫から麦茶の入ったピッチャーの口を開け、麺つゆと間違えていないか確認するために鼻を近づけて香りを嗅ぐ。

割と頻繁に素麺を出す我が家では夏場、麺つゆ専用のピッチャーがある。その動作は変ではないが、毎度やっているそれは馬鹿馬鹿しかった。

一度お茶を飲もうとして、間違えてめんつゆを注いでしまった、と話した彼女は冷蔵庫から取り出す度にそうしている。ラベルを貼ればいいのに、と言った僕に、彼女は茶渋で汚れていくのが嫌だから、と返した。

 

冷蔵庫を開けて中身を確認する彼女はきっと、そのコントのような流れが面白いと思っているのだろう。だから貼らないのだろうと確信している。

 

一度したおかしな失敗を繰り返さない為に意識的に動作を繰り返すことが可笑しくて面白いのだろう。